投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月3日~6月7日の動きを振り返りつつ、6月10日~6月14日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は上昇した。利下げ期待が浮上しNYダウが上昇したことが支援材料となって日経平均は5週ぶりに反発に転じた。
メキシコへの通商摩擦の拡大から5月31日のNYダウが354.84ドル安と急落し、為替市場で1ドル=108円台前半まで円高が進行したことも嫌気されて、週初3日の日経平均は大幅安の始まりとなった。朝方にはおよそ4カ月半ぶりの安値水準となったが、その後は、日銀のETF(上場投資信託)買いが下支えとなり下げ渋りをみせた。
3日のNYダウは小反発したが、検索大手のグーグルを持つアルファベットに対して米司法省が独禁法違反の疑いで調査を準備と報じられ、ハイテク株が売られてNASDAQ指数は大幅続落となった。この流れを受けて、4日の日経平均は小幅ながらも5日続落となった。1ドル=107円台までの円高進行も警戒された。
パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が利下げに動く可能性を示唆したことがインパクトとなり、4日の米国市場でNYダウが512.40ドル高と大幅高となると流れが変わった。この今年2番目の上げ幅となったNYダウの上昇を好感して5日の日経平均は前日比367.56円高と6日ぶりに急反発した。東証1部の値上がり銘柄数が全体の93%を占める全面高商状のなか、がん治療薬の試験結果を好感した第一三共<4568>の急伸が話題となった。
5月ADP雇用統計が予想を大幅に下振れて、米国での利下げ期待が一段と強まるとNYダウは5日にかけて3連騰となった。しかし、東京市場は勢いが続かず6日の日経平均は小幅安に転じた。米半導体SOX指数の反落によるハイテク株売りと、下げ幅を拡大する上海総合指数や為替市場における円高推移が影響して、プラスゾーンで推移していた日経平均は大引けにかけて値を消した。