乱高下の続く日本株市場だが、確かな技術やサービスで好業績と株価高騰が見込める銘柄は存在する。マネーのプロたちが、今年年末時点で今よりも値上がりしている可能性が高いと見る銘柄を挙げてくれた。
みんかぶマガジン社・日本株情報配信部・編集長の冨田康夫氏は注目の介護関連でロボットスーツを手がけるサイバーダインと、防災関連で城郭など歴史的建造物の保存や復元に定評がある構造計画研究所を推す。
東京五輪もまだ株価に織り込まれていない注目テーマだ。株式評論家の植木靖男氏は新国立競技場建設やその他の五輪関連施設の整備需要を見込んで大成建設を、株式アナリストの鈴木一之氏は翻訳需要の高まりで自動翻訳サービスのロゼッタを挙げる。
高い技術力に着目した銘柄も。中越パルプ工業は「植物繊維由来で軽くて強いセルロースナノファイバーが実用化目前」(冨田氏)、浜松ホトニクスは「光エネルギーを電気エネルギーに変える光電子増倍管は海外からも注目されている」(植木氏)、太陽電池用シリコン製造で使用するダイヤモンドワイヤで知られる中村超硬は「中国の太陽光発電需要を取り込んで業績が右肩上がり」(IPOジャパン編集長の西堀敬氏)という。
中・小型株だけでなく、東証1部の大型株にも高配当の銘柄がある。
「連続増配企業の花王は化粧品事業が収益改善、中国向けのベビー用品も堅調維持。保育関連のJPホールディングスは配当性向が3割と高く、中期的にも成長性がある」(マーケットキャスターの叶内文子氏)
SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏は10月発売予定の『プレステVR』の人気に期待してソニーに注目。株式評論家の植木靖男氏は原油価格の底入れによる業績回復期待で三菱商事を奨める。
東野幸利氏(DZHフィナンシャルリサーチ日本株情報部長)は株価が比較的安価で配当利回りの高い「低位高配当」の3銘柄を推す。
「耐火断熱材が主力のイソライト工業、流体計測機器の最大手・オーバル、出版事業のほか塾・教室を展開する学研ホールディングスはいずれも好業績で上昇が期待できます」
※週刊ポスト2016年5月20日号