さえない展開の続く日本株市場だが、確かな技術やサービスで好業績と株価高騰が見込める銘柄は存在する。マネーのプロたちが、今年年末時点で今よりも値上がりしている可能性が高いと見る銘柄を挙げてくれた。
ケイ・アセット代表の平野憲一氏が推すその2銘柄はIT関連。
「メール配信システムを手がけるエイジアは大手企業を相手にインターネットを使った販促ソリューションに強みを持つ。eコマースの総合支援サービスを展開するEストアーは市場拡大が見込まれるマーケティング事業への優先投資を行なっていて今期も大幅な増収増益が期待できる」
藤ノ井俊樹史(エフピーアイ代表取締役)は推奨する3銘柄ともIT関連だ。
「割安な新興株が狙い目。ソフトウェア開発のソルクシーズは国内向けシステムが中心で円高の影響を受けにくい。商品情報管理ソフト会社のeBASEは今期も最高益の可能性。金融機関のシステム開発に強いアイエックス・ナレッジはマイナンバー需要に期待です」
ちなみに、円高がメリットとなる銘柄として藤根氏が挙げたのが雑貨事業を手掛けるトランザクションだ。
同氏が挙げるシステムディは自治体や公立学校向けの管理システム導入による伸びが注目。また、岡山氏はあらゆるモノをインターネットでつなぐ「IoT(Internet of Things)」関連で、ベリサーブとシステナに期待を寄せる。
鈴木一之氏(株式アナリスト)のIT関連2銘柄はともにマザーズ銘柄。
「JIG-SAWはクラウドの自動監視システムに強みを持つ。クラウドシステム導入事業で最大手のテラスカイにも注目です」
フィスコ株式・為替アナリストの田代昌之氏が「全体相場が盛り上がりに欠ける中で個人投資家が物色するテーマ」とするのが仮想通貨関連。マネーパートナーズグループ、リアルワールド、GMOペイメントゲートウェイは、それぞれすでに事業展開している点で優位性を持つという。仮想通貨の基盤となるブロックチェーン技術(※注)を扱う銘柄として、SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏はインフォテリア、マーケットキャスターの叶内文子氏はロックオンを挙げた。
【※注/世界中に点在するコンピュータにデータを分散することで、透明性が高く、改竄が不可能な取引台帳を作る技術のこと】
※週刊ポスト2016年5月20日号