定年後、何とか年金だけで暮らせないかと考えている人もいるだろう。その場合、収入を増やす方法も考えたい。「働く」以外にもやり方はある。意外なことに、「趣味」をお金にすることに成功している人は少なくないのだ。小林さん(75・仮名)は定年後に趣味とする“庭木いじり”の勉強に打ち込んだ。
「時間ができたので、名人と呼ばれるような職人さんを訪ねて教えてもらうこともしました。すると最初はご近所さんから『ウチの庭木を頼むよ』と声がかかり、口コミで評判が広がって“注文”が入るようになった。趣味の延長なので業者の半額ほどで請け負うが、一日5000~8000円ほどの実入りになります」
そう笑う小林さんの手帳は先の予定がビッシリだ。
そして、ミニカーコレクションという長年の趣味を利用して儲けを狙うのは今年62歳になる森永卓郎氏(経済アナリスト)。
「ユーザーが私物を出品するフリマアプリ『メルカリ』を欠かさずチェックしています。ミニカーの本当の価値を知らない人が、驚くほど安い価格で出品することがある。そうした“お宝”のゲットが狙いです」
時には20万円の価値があるレアミニカーが1000円で出品される。そんなお宝をすかさず手に入れたら、オークションサイトの「ヤフオク!」に出品する。
「欲しい人が複数いれば、値段がどんどん吊り上がります。1000円で入手した品物が20万円で売れればほとんどまるまる儲けになります」(森永氏)