投資情報会社・フィスコが7月15日~7月19日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は弱含みか。今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)における0.50ポイントの利下げ観測は消え去っていないことから、ドルの上値はやや重くなりそうだ。中東情勢の不安定化で地政学リスクの増大が懸念されていることも円買い材料となる。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は10-12日の議会証言で6月18-19日のFOMC以降は世界的に製造業などの景況感が悪化と指摘。また、賃金の鈍化がインフレの上昇ペースを弱めるとの見方を示した。
今月5日に発表された6月雇用統計はまずまず良好だったことから、7月30-31日のFOMCでの政策金利の引き下げ幅は0.25ポイント(25bp)にとどまるとみられていたが、パウエル議長のハト派的な見解で0.50ポイント(50bp)の利下げの思惑が再浮上した。
今週発表される6月小売売上高や7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数などの重要経済指標が大幅に悪化した場合、0.50ポイントの利下げを想定してドル売りが強まる可能性がある。中東情勢の不安定化で地政学的リスクが急速に高まる可能性があることも、ドルを下押しする可能性がある。
一方、ユーロ圏の弱い経済指標やハト派的な金融当局者発言で欧州中央銀行(ECB)による一段の金融緩和策が意識されやすく、ユーロ売りが強まる場面ではドルは下げ渋るケースもありそうだ。