投資

日経平均低迷だがマザーズ、ジャスダック活況 なぜ違う

東京証券取引所

東京証券取引所

今年の日本株市場の値動きといえば「年明けに急落、その後も低迷」というイメージが強い。たしかに日経平均株価は1月4日の大発会でいきなり582円安という記録的な大暴落となり、その後も下落局面が続いた。2月12日には1万4865円の年初来安値をつけ、5月に入っても1万6000円台で推移している。1月4日の1万8951円が年初来高値のままで、その更新にはほど遠い水準にあるといっていい。

一方で、同じ東京証券取引所に開設された市場で、年明け以降に高値更新が続いている市場がある。

「東証マザーズ」である。マザーズは1999年に開設された新興企業向けの株式市場。日経平均を構成する東証1部の銘柄に比べればマザーズ上場企業の規模は小さい。しかし、市場の値動きは活況を呈している。

日経平均と東証マザーズ指数の動きを比べてみると、同じ2月12日に年初来安値をつけた後の値動きが全く違う。東証マザーズ指数は2月の664.92ポイントから右肩上がりの上昇に転じ、4月21日には1230.82ポイントという2007年以来の高値をつけ、その後も同水準を保っている。わずか2か月ほどで80%以上の急騰である。

同じく新興企業が集まる東証ジャスダック市場も活況で、市場の値動きを示す指数は2月12日の94.72ポイントから約2か月で20ポイント近い急上昇を見せた。

同じ日本企業の株式市場なのに、なぜここまで値動きが違うのか。信州大学経済学部教授の真壁昭夫氏はこう解説する。

「日経平均の値動きだけを見ていると投資家がこぞって『不景気だから株に手は出せない』と考えているように思えるかもしれませんが、そうではありません。マネーは余っていて、投資家は投資先を探しています。

にもかかわらず日経平均が上がらないのは、為替の影響が大きい。日経平均を構成する銘柄には日本を代表する輸出企業が多い。輸出企業の業績は円安なら良くなりますし、円高だと収益が圧迫されます。だから今のような円高局面では投資先として選ばれない」

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。