投資情報会社・フィスコが11月25日~11月29日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。第1段階の合意に向けた米中通商協議の行方や米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を巡る思惑が交錯し、方向感の乏しい展開となりそうだ。ただ、ドル安・円高に振れる局面ではドルの押し目買いが増える可能性があり、引き続きドル・円は底堅い値動きが予想される。
米上院で19日に可決した「香港人権・民主主義法案」をめぐる両国の関係悪化への懸念から、米中協議進展への期待は低下している。また、署名に関し来年にずれ込むとの観測も浮上している。半面、劉鶴・中国副首相が「合意は可能」と前向きな見解を示している。
米中通商協議の先行きは不透明であることから、ドル円自体は狭いレンジ内での値動きが続くとみられる。20日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、目先は政策金利据え置きで一致したことが明らかになった。12月10-11日に開催されるFOMC会合での追加利下げ観測は後退したが、18日にパウエルFRB議長はトランプ大統領と会談しており、追加利下げを要請された可能性は否定できず、追加利下げを巡る市場の思惑が大きく後退する可能性は低いとみられる。
【パウエルFRB議長講演】(25日)
25日(日本時間26日午前)にパウエルFRB議長の講演が予定されている。米中貿易協議の第1段階の合意署名に至っておらず、12月10-11日開催のFOMCの会合に向け中立的な発言が予想される。それを受け、利下げ打ち止めへの期待はやや低下し、リスク選好的なドル買いはやや後退する可能性がある。
【米・7-9月期国内総生産(GDP)改定値】(27日発表予定)
27日発表の米7-9月期GDP改定値は速報値(+1.9%)程度の成長が維持されれば、FRBの追加利下げ観測のドル売りはいったん収束する見通し。ただ、予防的利下げへの思惑から、ドル買いはある程度抑制されよう。