中国本土株に底打ちの兆しが見え始めた。上海総合指数は6月3日、小幅な上昇ながら、本土投資家たちが強気相場、弱気相場の分かれ目として意識する60日移動平均線を上回ってきた。
過去1か月の動きを振り返ってみると、5月上旬には3000ポイントを維持していたが、6日(金)、9日(月)に大きく崩れ、その後はごく狭いレンジでの持合いが続いた。この時の安値は5月26日の場中で記録した2780.76ポイントである。ところが5月31日、突如急騰、その後2日間の横ばいを経て、3日の上昇となった。ちなみに、この日の終値は2938.68ポイントであった。
売買代金も増えてきた。急騰直前となる30日の段階では、サーキットブレーカーが作動した1月7日以来の低水準(上海市場、1156億元)にとどまったが、急騰した31日は倍増(同、2365億元)している。その後も、1日、3日については2000億元を超えており、売買代金は高水準を維持している。
上昇要因としてまず考えられるのは、弱気材料を織り込んだことである。
5月に発表された4月の製造業PMI、輸出、輸入、鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高はことごとく3月を下回り、市場予想を下振れした。景気指標に対する感度が相対的に低い本土市場であっても、決して無視できない結果であったと言えよう。