ビジネスシーンで欠かせないツールのひとつが会社用アドレスを使った電子メールだが、実は会社によって“文化”はさまざま。その会社ならではの習慣に、戸惑った経験を持つ人も少なくないようだ。特に、情報共有を目的に利用されるカーボンコピーことCCには、会社や職場単位でローカルルールが設けられている場合も多い。
20代の女性会社員・Aさんが働く大手メーカーでは、「業務に関わる可能性のある人は、必ずCCに追加するように」指示されている。とはいえ、Aさんは納得がいかない様子だ。
「トラブルが発生した場合の周知や、決裁者への情報共有が主な目的です。しかし、CCに追加されている人数があまりにも多い。どう考えても関係ないと思われる人がほとんどで、50人近くになる場合もあります。誰かの意見や指示がないと物事を進められない人や、他責気味の人ほど、不必要にCCを追加している気がします。正直、本当に必要な情報が逃しやすくなるので、あまり得策とは思えません」(Aさん)
20代の男性会社員・Bさんが勤務するIT企業では、関与するプロジェクトごとに、新しくメーリングリストが作られる。関わるプロジェクトが増えると、自ずとCCで受け取るメールの量も膨大になる。
「関与度が低くても、絶えずメールが行き交っている。正直、読んでいないことがほとんどです。メーリングリストの名称自体も頻繁に変わるので、メールのフィルター設定を変更するのも一手間。読んでいる前提で物事を進める人もいるため、『全部読まないといけないのか』と悩むこともあります」
大手通信会社に勤務する30代の男性会社員・Cさんは、なんと1日で社内外からのメール300通以上を受信している。メールが必要以上にCCされる理由の一つには、社内で長らく醸成された文化があると感じている。