介護サービスを利用する場合は、自治体窓口などに要介護認定を申請し認定されれば、要支援・要介護の区分ごとに支給限度額の範囲内でサービスを受けることができる。その自己負担は原則1割だ(所得によって異なる)。
その後は担当ケアマネージャーが作成したケアプランに基づき、食事や入浴の介助などのサービスが実施されるが、在宅介護の場合、介護保険の支給限度額を超える分をどうするかという問題が出てくる。介護ジャーナリストの末並俊司氏が解説する。
「在宅介護のプランには費用を抑える方法がいくつかある。例えば、着替えの手伝いやトイレへの誘導などの身体介助で介護保険の支給限度額を超えた分を、ヘルパーではなくシルバー人材センターに依頼する方法です」
年金生活者の男性で、妻と2人暮らしのモデルケースを考えてみる。男性の要介護度は2。介護保険の支給限度額は月約19万7000円だ。
「大まかに計算すると、身体介助を週6日(1回4000円程度)、デイサービスを週3回(1回7000円程度)、月2回のショートステイ(1泊8000円程度)利用で限度額に達します。
妻に疲れが出たので、要介護度2の限度額はそのままで、ショートステイに行かない週の身体介助を週7日に増やすことにする。月に2回、ヘルパーさんを余分にお願いするので、計8000円の自己負担が発生します。これを、1時間1200円で頼める介助者にお願いすれば、費用を月2400円に抑えることができるのです」(末並氏)
シルバー人材を利用するには、担当のケアマネに相談するといいだろう。
※週刊ポスト2020年2月14日号