申請することで国や自治体からもらえる「給付金」。ひと口に「給付金」といっても、実際には「助成金」「補助金」「手当」なども給付金に含まれる。さて、これらの違いは何だろう?
「これらに厳密な区別はなく、法律用語というわけでもありません。給付金や手当は、ある目的のために現金給付される制度。また、補助金や助成金は、何かを購入した費用のうちの何割かのお金が戻ってくる制度を示すことが多いですね。いずれも主に国や地方公共団体などから支出されるお金で、明確に決まっているわけではありません」
こう説明するのは『申請するだけでもらえるお金』(幻冬舎コミックス)などの著者で、社会保険労務士の井戸美枝さん。
国民の生活をサポートするとともに、国や自治体が目指す方向に導くために税金を投入して行っている制度だが、申請しないともらえないため、多くの人がもらい損ねているともいう。
例えば東京23区の場合、区外から区内に転入して申請すれば、引っ越し費用や数年間の家賃補助が受けられ、特に子育て世帯には、金額の上乗せをしてくれるところも多い。これは、生活コストの高さを敬遠して郊外に転居されるのを防ぎ、都心の居住者増加を狙ってのものだ。