新型コロナウイルスの影響で東京五輪の開催延期が決定した。他にもありとあらゆるスポーツイベントが中止・延期となった。国内ではプロ野球、高校野球、Jリーグ、Bリーグ……、海外ではMLB、NBA、各国サッカーリーグも開催を断念している。こうした事態に直面したことで、「オレ達はいかにスポーツが好きでどれだけスポーツに時間を使っていたのか……」と愕然とするのは、スポーツ観戦が大好きなネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。コロナ騒動であらためて感じるスポーツ観戦の幸せについて、中川氏が考察する。
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私は現在、ウェブでNBAに関する連載を持つなど、スポーツ観戦は子供の頃から好きです。プロ野球は本来3月20日に開幕し、1週間経って「このルーキーやばい!」やら「おいおい、山田哲人、もうホームラン3本かよ!」みたいなことをやっているはずだったのに、それがないのが本当に寂しくて仕方がありません。あとは五輪に出場する選手が「絶好調!」といった報道が出るのも楽しみにしていました。
東京五輪の延期について世界中で安堵の声がでておりますが、「無観客」や「中止」でなかったことも、その理由のひとつでしょう。「中止」ともなれば、2016年のリオから8年後の開催ということで、現在の有力選手の活躍が見られなくなってしまいます。「延期」だからこそ、これまで頑張ってきた選手の活躍を見られるわけですし、「無観客」ではないからこそ、世界中の人々が東京のスタジアムを埋め尽くす様を見て「平和の祭典」にふさわしい光景を見ることができるわけです。
毎朝、新聞を読む時、スポーツ欄を見るのは一種の「息抜き」的な面がありました。文化面と合わせてスポーツ面はあくまでも娯楽として楽しむことができたんですよね。それはテレビのニュースのスポーツコーナーも同じでした。
今のスポーツニュースは「五輪の予選、延期になった競技はどうなる?」的なものや、「朝乃山の大関昇進、取材陣は現場に入れず」みたいなニュースだらけで、すべてがコロナと関連してしまっています。
今となっては2019年の「芸人闇営業問題」「ヤクザとタピオカ」みたいな話題でキャッキャしていた時代が本当に「幸せだったなぁ……」という気持ちになってしまいます。コロナにより、すべてがぶっ壊れてしまった。