この話は、ほかのマーケット関係者からも、過去にこんなことがあったという事例として、聞かれているかもしれませんが、1998年夏のロシアのデフォルトに端を発した金融大混乱のなかで、同年9月にアメリカのLTCM(Long Term Capital Management)という、ノーベル賞学者や元FRB理事をもメンバーとし、高度な金融技術を駆使して急成長していたヘッジファンドが、約5000億円の損失を出し破綻しました。
これをきっかけに銀行からの資金調達が厳しくなった他のヘッジファンドが、一斉にグローバル・キャリー・トレード(高金利通貨買い/低金利通貨売り)の巻き戻しを尋常ではない金額で行ったため、10日間でドル/円は136円から111円になんと25円強急落しました。
この時はインターバンク市場ですら、ドル買いが消え、ドルロング(ドルの買い持ち)を投げるにも投げられないような事態となり、それこそ、ストップロスはとんでもないところで付く状況となりました。
相場にはこうした不測の事態が、いつ何時にも起こりえるリスクがあることを、どうか心にとめておいてください。こうした事例の時に、もしアゲンスト(相場と逆)のポジションを持っていたら、どんなにその時点で悪いレートだと思っても、即刻手仕舞う決断力が大事だと思います。踏ん切りがつかず、ずるずる引っ張ることは、禁物です。
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