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「家賃下げろ!」で大家が悲鳴「こっちだって大変なんだ!」

大家の立場はますます弱くなる?(イメージ)

大家の立場はますます弱くなる?(イメージ)

 新型コロナの影響でテナント料の支払いが困難となった中小・個人事業者に対し、自民・公明両党は家賃の3分の2(月額上限50万円)を半年間、給付することで大筋合意。安倍首相は39県の緊急事態宣言解除を表明した5月14日の会見で、中小事業者の家賃負担軽減のための新制度を設けると改めて強調した。だが、アパートやマンションなど賃貸物件に住む人々への支援については後手に回っている。

 休業や時短で収入が減り、賃料の支払いが困難になった場合は「住居確保給付金」が最大9月間給付されるが、条件はシビアだ。たとえば東京23区で給付の対象となるのは、2人世帯の場合で収入月額が19万4000円以下、資産(預貯金など)が78万円以下の人に限られる。この場合の支給額は6万4000円だ。家賃相場が高い東京では、「もらえないよりはマシ」という程度の金額といえるだろう。

 こうした事態を受け、公営住宅の家賃減免措置を講じる自治体が出てきたほか、民間では一部の賃貸大手が家賃猶予の対応を打ち出している。このような動きは今後、賃貸不動産業全体に広がるものとみられているが、個人経営の“大家さん”は店子からの「家賃減額要請」に戦々恐々としているという。

 東京・大田区で総戸数11のアパートを経営する山村義之氏(仮名・65)がため息まじりに話す。

「今のところ(減額の)要請はないが、新型コロナが長引けば当然、声を上げる人が出てくるだろう。『減額しなければ出ていく』と言い出す人もいるかもしれない。そうなれば、こっそり“おたくだけ”というわけにはいかず、アパート全体の家賃を下げざるを得なくなってしまう」

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