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ロボ・アドバイザー市場拡大 ETF活用で低コスト運用に

ロボ・アドバイザー市場の今後は?

ロボ・アドバイザー市場の今後は?

 ITを駆使した金融サービス「フィンテック」が注目を集めているが、昨今、その技術を用いた資産運用サービス「ロボ・アドバイザー」に各社が続々と参入している。

 このサービスを使えば、いくつかの質問に答えるだけで一人ひとりの投資家にあったポートフォリオが組まれ、自動売買を行ってくれる。その運用先は、低コストで少額から投資できるETF(上場投資信託)が中心だという。米国ではすでに数兆円規模といわれているロボ・アドバイザー市場だが、日本でも2016年よりいよいよ本格化しそうな勢いだ。

 ロボ・アドバイザーサービスには、銀行・証券のほか、お金のデザインやウェルスナビなど、ベンチャー企業も続々と参入。決まった金額を丸ごと一任運用する「ラップ運用」という形でサービス展開されるケースが多い。今秋にはロボ・アドバイザーを利用したラップ運用サービスを開始するマネックス・セゾン・バンガード投資顧問株式会社が設立されるなど、日本でも市場は拡大し始めている。

 ラップ運用サービスの大きな魅力のひとつが、利用者一人ひとりの資産状況やリスク許容度などをもとに、運用を一任できる点だ。しかし、ラップ運用サービスを利用するためには各社によって条件は異なるが、高い手数料を負担することに加え、数百万円程度の運用資金が必要となる場合が多かった。サラリーマンや若年層になかなか手が届かないサービスだった。

 一方、低コストのETFを投資対象とする、ロボ・アドバイザーを利用したラップ運用サービスであれば、手数料は大幅に軽減でき、少額の運用資金で利用できる。たとえば、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問が提供するラップ運用サービスは、ユーザーが負担する実質的なコストは1%未満であり、運用資金も最低1万円から始められる予定だ。毎月1万円の積み立てなど、よりカジュアルに、高品質のラップ運用サービスが利用できるという。

 こうした各社の「ロボ・アドバイザー」を利用したラップ運用サービスの展開が進めば、ラップ運用のハードルを大きく下がるだろう。個人投資家にとって資産運用の選択肢としてどこまで普及するのか、今後の動向に注目したい。

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