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【ファンド トピックス】三井住友アセットマネジメントの新しい試み

2015年4月からスタートした、三井住友アセットマネジメントの投資信託の直接販売が話題を呼んでいる。魅力的なラインナップもさることながら、販売に合わせて開始した、全国各地で実施し、その様子をSNS等でも発信している『始めよう投資信託セミナー』が大好評なのだ。この一連の活動についてレポートしよう。

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通常、投資信託(以下、投信)は、銀行や証券会社などの金融機関の窓口あるいはインターネット上のサイトから購入する。実際の運用をしている運用会社と、販売を担当する金融機関は別々となっているのが一般的だ。

これに対して、直接販売(以下、直販)とは、運用会社が販売会社を経由せずに、投資家に販売することをいう。投資家にとっては、販売手数料などのコストが抑えられるメリットがある。独立系の規模が比較的小さい運用会社が行なっているケースはいくつかあるものの、大手の運用会社が本格的な直販をする例は初めてだ。まず、なぜ直販を始めたのか、この活動のキーマンである三井住友アセットマネジメントの宗正彰氏に聞いた。

「個人投資家の方々に、投信という金融商品への理解を深めてもらうには、運用会社として何ができるのか? そこで、直販を始め、投信を基礎から学べるセミナーも全国で行なうことを決めたのです」(宗正氏。以下「 」内同じ)

そう考えるに至った背景には、日本での投信の普及度の〝低さ〟への危機感があったという。

「投信は、資産運用に役立つ有力な金融商品であることは疑いがありません。しかし、欧米に比べると、個人投資家への普及度という点では、まだまだ低いのが現状です。そこで、投信をもっと良く知ってもらうための啓蒙活動としてセミナーを開催し、その様子をフェイスブックでも発信していこうと思ったのです」

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5月末からスタートしたセミナーは、7月までの2か月間ですでに25回を数えるという。年度内に計100回、全国各地で開く予定だとか。セミナーの内容も、個別のファンドの説明はなく、前述のコメントどおり、長期投資・分散投資・積立投資と、投信と資産運用の基本が学べるものになっているという。

「投資のビギナー層、特に、若い世代の人たちには、来て欲しいと思っています。低金利が続く中で、未来のための資産形成が必要となるのが若年層の人たちですから」

また、現在、直販で購入できる投信は合計4本。やや少ない印象があるが、やはり、販売会社への〝遠慮〟といったものがあるのだろうか?

「正直、何か言われることもあるのかなと思っていたのですが、やってみると、金融業界の皆さんはすごく応援してくれています。販売会社にとっても、個人投資家に投信の知識が広がることはメリットしかない、というわけです。ただ、直販のラインナップは増やす予定は今のところありません。資産運用の入り口となる投信としては必要十分なものが揃っていると考えているからです」

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早ければ、来年度から、「個人型確定拠出年金」の加入者が大幅に拡大される見通し。老後の不安を解消することを目的として、現役世代のあらゆる層が、個人型確定拠出年金を利用できることになる。その際、投信は有力な資産形成の選択肢となるだろう。投信の理解を深めることは、社会的にも非常に意義のあることといえる。これからも、三井住友アセットマネジメントの取り組みに注目したい。
 

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※「マネーポスト」2015年秋号に掲載
マネーポスト 2015年秋号 2015年 10/1 号 [雑誌]: 週刊ポスト 増刊

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