コロナ禍で財政が逼迫し、政府が“社会保障の大幅カット”に舵を切ろうとするなか、重要となってくるのが現行制度のもとで収入と蓄えを確保しておくことだ。最新の年金ルールに対応した「働き方」や「もらい方」の工夫をすることが、政府の給付カットに対抗する生活防衛策となる。上に政策があれば、下には対策がある。
菅政権は「自助」を盛んに強調し、「年金カット」の道のりを着々と構築している。“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏が指摘する。
「このままでは、超高齢化で支え手がいなくなり、年金制度が破綻することは明らかです。だからこそ、今年6月に公布された年金制度改正法には、現在65歳の年金支給開始年齢を67歳、68歳と引き上げていく内容が含まれることになるとみていましたが、コロナ禍でさすがにそれどころではなくなってしまった。
とはいえ国が年金支給開始を70歳まで段階的に引き上げることを目論んでいるのは疑いようがありません。この先、年金激減時代がやってくることを前提に一人ひとりが対策を講じることが急務となります」
改正法による“新ルール”は、その意味を理解して事前に対策を練ることで、得する方法がいくつもある。新制度に即した働き方と、年金のもらい方の「正解」をみていこう。