中国の国家統計局は7月15日、2016年4-6月期における実質経済成長率を発表した。結果は6.7%で1-3月期と同じ。市場コンセンサスと比べ、0.1ポイント上振れした。
全人代で決まった今年の成長率目標は6.5~7.0%である。上期を終えて6.7%なので、計画達成は容易となった。
とはいえ、下期に入り、景気が崩れる可能性は無いのだろうか? 直近となる6月の状況について詳しくみると、少々不安な所もある。
まず、生産、需要などの結果をまとめて示せば、以下の通りである。
●鉱工業生産:6.2%増で、前月と比べ0.2ポイント高く、市場コンセンサスと比べ0.3ポイント高い
●全国固定資産投資(累計):9.0%増で、前月累計と比べ0.6ポイント悪化、市場コンセンサスと比べ0.4ポイント低い
●民間固定資産投資(累計):2.8%増で、前月累計と比べ1.1ポイント悪化した
●全国不動産開発投資(累計):6.1%増で、前月累計と比べ0.9ポイント悪化した
●小売売上高:10.6%増で、前月と比べ0.6ポイント改善、市場コンセンサスと比べ0.6ポイント高い
●輸出:4.8%減で、前月と比べ0.7ポイント悪化、市場コンセンサスと比べ、0.7ポイント低い
●輸入:8.4%減で、前月と比べ8.0ポイント悪化、市場コンセンサスと比べ、3.4ポイント低い
●貿易収支:481億ドル1000万ドルの黒字で、前月よりも18億7000万ドル減少
外需が低迷、設備投資が鈍化する中、消費が大きく回復しており、生産は予想以上に伸びたということだ。