新型コロナウイルスの影響による休業や収入減を補ったり、新たな働き口を探したりするため、副業を始める人が急増している。115万人以上が登録するクラウドソーシング大手のランサーズの調査では、登録者の約3割が「新型コロナウイルスの影響がビジネスに及び始めた今年2月以降に副業を開始した」と回答している。
企業側も、従業員の副業について「解禁」どころか、「推奨」へと舵を切りつつあり、「大副業時代」の到来が予測されている。なぜ今、副業が必要なのか。自らYouTuberなど“副業”を実践し続ける、公認会計士・税理士の山田真哉氏も、会社員に副業を強くすすめるひとりだ。副業には「収入増」「失業リスクヘッジ」「脱・社畜」という3つの“絶対的なメリット”があるという。
「在宅勤務やテレワークによる効率化によって、今後、ますます本業における余剰時間が増え、その一方で本業の給与収入は先細っていくでしょう。そうしたなか、副業なら臨機応変に、スキマ時間も有効に使って、自分で時間を管理しながら手っ取り早く収入を補っていけます」(以下、「」内は山田氏)
残る2つのメリットは、副業を始めることによる収入以外の部分、新たな同僚や仲間、取引先などの人脈も大いに関係するという。
「コロナ禍では予期せぬ倒産やリストラが増えるでしょう。その際、副業という別の収入源があれば当面は安心して再就職活動ができます。また、副業の人脈は大きな手助けとなります。さらに、不況の影響でますます増えそうな会社側や上司からの理不尽な要求に対しても、“いざとなれば辞めてやる”との気持ちで対峙でき、社畜にならずに済むのです」
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(165万部)などの大ベストセラーで知られ、メディア出演や講演活動も続ける山田氏は、1年ほど前からYouTubeを使った動画配信に力を入れ始め、現在では「公認会計士YouTuber」としてチャンネル登録者数第1位になるなど、新たな“副業”も自ら実践している。
「個人の情報発信のあり方は時代とともに確実に変わってきており、YouTubeには媒体価値と影響力に大きな伸びしろを感じています。何より、視聴者の『生』の声がいち早く、しかも多数届き、自分の作るコンテンツの反響に対して、即時に対応できる楽しさもあります。月に数十万円程度の広告収入にもつながっており、まさに一石二鳥です」