東京エレクトロン(8035)
企業概要
同社は半導体製造装置、FPD製造装置などの開発、製造、 販売を行っています。半導体は、スマホをはじめ、あらゆるエレクトロニクス製品に搭載されています。
同社はこの半導体チップを製造するための製造装置を手がけています。
一言に半導体製造装置といっても、半導体製造工程には前工程と後工程があり、その中でも細かく工程が区切られています。製造装置はその工程ごとに専用のものが存在しているのですが、同社はその内前工程の6つのカテゴリーで参入しています。
同社が位置する半導体前工程製造装置の市場規模は310億ドル。同社はこの内約17%のシェアを誇る世界第4位の企業です。
【2015年半導体製造装置メーカー世界トップ5】
1.アプライドマテリアルズ(米):84.4億ドル
2.ASML(蘭):67.3億ドル
3.ラムリサーチ(米):59億ドル
4.東京エレクトロン(日):52.5億ドル
5.KLAテンコール(米):28.2億ドル
■「SPE(半導体製造装置)」:売上構成比92%
■「FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置」:売上構成比7%
■その他(撤退した太陽光パネルを含む):売上構成比1%
同社は半導体製造装置では前述したとおり6つ、FPD製造装置で2つの製品群をもっています。例えば、レジスト薄膜をコーティングするためのコータディベロッパーでは世界88%、エッチング装置で63%のシェアをもつなど、世界でも評価の高い製品を有しています。
注目ポイント
半導体市場では、メモリに関してはDRAM向け投資は一巡したものの、3D-NAND向けでは投資が急速に拡大しています。そして3D-NANDでは積層数増加トレンドが継続するので、同社が得意とする層間絶縁膜エッチャーへの需要が強まると見られます。
短期的には他の製造業同様に受注が増加トレンドになるかがポイントですが、おそらくこれまでの業績、動向、市場環境、市場シェアを見る限りいい方向に向かっているのではないかと思います。
そして中長期では、景況感の変動を背景とした設備投資の動向に左右されにくい体質に改造されている事を期待します。つまり、特に3D-NAND市場の成長という追い風を受けながら、独自技術による差別化が図られていこうかと思います。
この点で、同社が注力するエッチャーのシェアの動向は、この分野での成長を図る上で一つのポイントとなるかと思います。
株価指標には過熱感はありません。同社の株価はIT革命の2000年頃がピークで17000円ほどありました。製造装置の新規需要が盛んだったそのころに比べると、緩やかな成長となるとおもいますが、第4次産業革命の中で株価は堅調に推移していくと思います。
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