2020年はネイルサロンの倒産が過去最多を記録している。帝国データバンクの調査によると、1~11月の間にネイルサロンの倒産が19件判明、すでに2000年以降最も多かった2014年の18件を上回っている。
相次ぐ倒産の背景には、2000年代以降の急激な市場拡大と、それに伴う競争の激化も指摘されている。2005年は約400億円規だったネイルサービス市場は、2018年には1700億円に。その反面、業界内の競争は激しくなり、収益確保が困難になる小規模店舗が目立ち始めたという。
こうした状況に追い打ちをかけたのがコロナ禍だった。外出機会が減少したことで、女性がメイクやネイルなどに費やす美容関連需要が減退。それに伴いネイルサロンも大きな痛手を被った。
だが、ネイルサロンの利用をやめたという女性たちの声を聞くと、コロナの影響以外にも、その要因がいくつか垣間見える。「ネイルサロン離れ」した女性たちの本音を探った。
プチプラのマニキュアの質が向上
女子大生Aさん(21歳)は、自身がネイルサロンを利用しなくなった経緯について、次のように語る。
「たしかに、コロナで友人と会う機会やデートをする機会などがなくなったことで、女子がネイルにお金をかけるモチベーションが減ったという面はあると思います。でも、それ以前に、周りの学生を見渡していても、ここ最近はジェルネイルが流行っていなかった印象があります。
安くて手軽に買えるプチプラコスメブランドが、こぞってトレンドカラーのマニキュアを発売しているし、その品質も向上しているので、5000~1万5000円くらいお金をかけてジェルネイルをするメリットがなくなってきてたのだと思います」(Aさん)