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レジ袋有料化の賛否 「削減できるゴミは微々たるもの」と舛添要一氏

舛添要一氏は「レジ袋有料化」の効果を疑問視(時事通信フォト)

舛添要一氏は「レジ袋有料化」の効果を疑問視(時事通信フォト)

 環境への意識の高まりは世界的な動きだが、2020年7月から始まった「レジ袋の有料化」をめぐっては議論百出の事態となっている。

 賛否両論ある中で、帝京科学大学生命環境学部教授の仲山英之氏は、レジ袋有料化は「効果がある」という立場だ。その理由をこう述べる。

「環境省の発表によると、小売店でレジ袋を辞退する人は、有料化前の3割から7割に増えています。

 もちろん、レジ袋の削減がプラスチックごみによる海洋汚染の解決に直結するわけではありませんが、重要なのはこれが『使い捨て文化』脱却の第一歩になり得るということです。

 これまでの習慣を大きく転換させるには、社会全体の気運が必要です。多くの人がまずプラスチックごみに関心を持ち、削減へと行動を起こしていくことが重要で、レジ袋有料化はそれを促す『きっかけ』なんです。レジ袋を入り口にして、最終的にプラスチックごみの出ない世界にすることが理想です」

 一方で、「効果がない」という意見もある。元厚生労働大臣で前東京都知事の舛添要一氏は、慎重な見方を崩さない。

「全プラスチックごみの中で、レジ袋の占める割合はわずか2~3%です。たとえレジ袋が全部なくなっても、削減できるゴミの量は微々たるもの。レジ袋有料化は、『環境を大切にしよう』と叫ぶだけの効果の薄い『精神論』みたいなものです。

 我が家ではレジ袋をそのまま捨てず、台所の生ゴミを入れるゴミ袋として再利用してきた。そういう家庭は多いでしょう。でも有料化でレジ袋が貰えなくなって、結局我が家では数十枚入りの大きなゴミ袋を買ってくるわけです。最終的に家のゴミ袋の枚数は減っていないし、それが清掃工場で焼かれて同量のプラスチックゴミを出す。これでは何の意味もありません」

 はたしてレジ袋有料化に効果があるのか、ないのか──。

※週刊ポスト2020年1月15・22日号

帝京科学大学生命環境学部教授の仲山英之氏

帝京科学大学生命環境学部教授の仲山英之氏

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