吉田みく「誰にだって言い分があります」

今年も「保育園落ちた」人たち 主婦2人が振り返るコロナ禍の保活

「待機児童ゼロ」はまだ先になりそう(イメージ)

「待機児童ゼロ」はまだ先になりそう(イメージ)

 4月からの新年度を前に、各地で保育園入園希望者の選考結果が届けられている。2016年には「保育園落ちた日本死ね!!!」というブログが大きな話題になったが、あれから5年経った今も、選考に漏れて待機児童となるケースは少なくない。フリーライターの吉田みく氏が、「保活」が失敗に終わったという20代の母親2人に話を聞いた。

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「先日市役所から届いた通知には、『待機児童』の文字が……。凄く悲しかったですが、前を向いて頑張らなくてはいけないと思いました」

 そう語るのは、都内市部に在住の自営業、鈴木さくらさん(仮名・29歳)。昨年5月に生まれた0歳の娘を4月から保育園に通わせようと市に申請したが、選考から漏れてしまったという。鈴木さんは夫と娘の3人家族である。

 東京都福祉保健局によると、2020年4月1日時点で何らかの保育サービスを利用する児童の総数は32万558人だった。前年に比べ1万1382人増えた一方、待機児童は1347人減の2343人だという。まだまだ待機児童ゼロには程遠く、2021年度も鈴木さんのようなケースが一定数出てくることが予想される。

「夫はサラリーマンですが、私は在宅での自営業。通勤がないというだけで、(保育園の入園希望者を選考するための)点数が低くなるのには納得できません」(鈴木さん)

 鈴木さんが憤るように、保育園の入園選考では「サラリーマンか自営か」「通勤があるかないか」などで細かく差がつけられているケースがある(基準は自治体によって異なる)。

 鈴木さんの仕事は、ハンドメイドアクセサリーの販売。最初は趣味で始めていたそうだが、今では夫の収入を超えるほどの売り上げがあるという。細かなパーツを扱うこともあり、育児をしながら作業をするのは厳しいため、0歳児から保育園入所を希望したのだそうだ。

 今回、希望していた駅近の保育園への入園は叶わなかったが、「まだチャンスがあるかも」と市役所に相談すると、自宅から車で20分以上離れた保育施設に空きがあることが判明した。だが、毎日の送り迎えを考えると躊躇ってしまったという。鈴木さんは「保育園が決まるまでは一時保育サービスを利用したり、子供が寝てから作業するなど工夫をしながら頑張っていきたい」と決意を固めていた。

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