7月に財務省が発表した貿易統計によると、2016年上半期の貿易収支(輸出額-輸入額)が半期ベースでは2011年の東日本大震災以降初の黒字となった。
この貿易収支と関連性が高いのが為替相場。貿易収支は輸出額と輸入額の差なので、たとえば輸出額より輸入額が多くなれば、日本円を外国通貨に両替する額も大きくなるということで、円相場に影響を与えるのだ。
両替対象となる外国通貨の多くは米ドルで、貿易収支が赤字になれば「輸出<輸入」で、米ドル買い/円売りの取引が多くなり円安の勢いを生む。貿易収支が黒字になれば米ドル売り/円買いの取引が多くなり、円高圧力になるということ。
元三和銀行の外為ディーラーで、1985年のプラザ合意時も現役で活躍していた・水上紀行氏(バーニャマーケットフォーカスト代表)は、昨今の貿易収支と為替相場の関係についてこう解説する。