トリケミカル研究所(4369)市場予想(単位:百万円)
企業概要
半導体や太陽電池、光ファイバーなどの製造に不可欠な特殊化合物(半導体用材料、光ファイバー用材料、太陽電池用材料、化合物半導体用材料、触媒、特殊試薬など)の研究開発・製造・販売を手掛ける化学工業メーカーです。
電電公社(現:NTT)の光ファイバー向け材料から出発し、今では半導体向け材料を主力としています。起業当時から「こういうことできるか?」という相談に乗りながら化学材料の開発・製造を行ってきた同社は、最先端の化学研究技術で半導体材料や試薬などをオーダーメイドで製作しています。
高純度化学薬品の製造ノウハウ・化学薬品のハンドリングノウハウが武器になるため、汎用品ではないウルトラファインケミカル(超高純度化学薬品)を得意としています。
汎用品ではないウルトラファインケミカル(超高 純度化学薬品)を得意としているということは、提供する製品が高付加価値であるということです。化学汎用品は市況や経済状況の影響を受けやすく、価格も左右されやすいですが、独自性を持ったスペシャリティ製品となれば、需給ではなくその機能で価格が決まりますし、技術進化へのニーズに伴った需要を確保することができます。
注目ポイント
外部環境としては、半導体市場が緩やかな成長を続ける中で、半導体微細化・高積載化による追い風に乗って好業績が継続すると思います。材料・プロセスは進化を続け新材料へのニーズは高まりを崩さないでしょう。
このような市場環境の中で、同社は汎用品ではない、高付加価値製品に強みを持つこともポイントで、経済状況の浮き沈みを理由とした価格変動リスクが低いところもいいと思います。
財務面でも改善が続いており、利益積み増しによる自己資本比率の拡大が見られます(16/1期末56.3%>>17/1Q 57.4%)。有利子負債は18億300万円(16/1期)で、有利子負債自己資本比率は0.53倍。安全です。
株価が続伸していた同社株ですが、韓国SKマテリアルズとの合弁会社設立という業績寄与への期待の他に、大株主である投資運用会社のレオスキャピタルの保有割合の上昇、東証の信用規制解除による資金流入の活発化を期待する買いの集中など資金の需給環境の改善も一つの要因となったようです。17/1期1Qの進捗率の鈍さもあって、このような株価上昇要因など材料出尽くし感から一時売られましたが、引き続き高値圏を安定推移しています。
ただ、同社、輸出比率が48%と高いため為替の影響を受けます。想定レートを1ドル=110円としていることから(一般的に台湾ドルはUSドルと同じ動きをします)、為替による影響を考慮して修正した業績予想を発表する可能性もあります。その際いったん株価が調整すれば、そこでの購入が検討できると思います。
※最新の推奨銘柄、相場見通しを知りたい方は是非、日本株通信にご登録下さい
→日本株通信