6月の英国のEU離脱決定時には日経平均株価が前日比1286円安の大暴落となったが、今後も11月の米大統領選など日本株に影響を与える不確定要素は多い。
とはいえ株価暴落局面は、逆にリバウンドを狙うチャンスでもある。
投資情報サイト「株式予報」代表の中原良太氏が、過去16年の株式市場の膨大なデータを徹底解析したところ、「暴落後のリバウンドの狙い方」が見えてきた。
米大統領選を控え、秋にも暴落局面の可能性
2016年のここまでの株式市場を振り返ると、何度も大きな暴落局面に見舞われている。
年初の日経平均株価は、大発会から6営業日連続安での幕開けとなった。2月からは反発態勢に入ったものの、5月以降は、それまで騰勢が続いていたマザーズ市場のバイオ関連株が総崩れ。
また、6~7月はイギリスのEU離脱問題、いわゆる「ブレグジット」により、急激な円高と株安局面もあった。このように、短い期間の間に大きな暴落が何度も起きている以上、今後も気を緩めることはできない。
例年、秋に暴落局面が訪れるケースは多く、特に今年は11月に米大統領選も控えており、不確定要素は多い。それでは、今後起こりうる暴落局面では、どんな投資行動をとるのが勝率は高いのか。
私は2000年以降、毎日の全指数、全個別銘柄の株価や騰落率などの膨大なデータを蓄積し、分析している。いわば株式市場の“ビッグデータ解析”で、2000年以降の暴落時のデータを分析したところ、「暴落後のリバウンド」に関する特徴を、いくつか見出すことができた。
ここで「暴落」の定義は、「東証1部の騰落レシオ(10日間)が50以下となったとき」とした。騰落レシオとは、市場の値下がり銘柄数に対する値上がり銘柄数の比率から「買われすぎ、売られすぎ」などの過熱感を見る指標だ。値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って算出する。
暴落局面をはかる指標としては移動平均乖離率やRSIなど、様々あるが、それらのような上昇幅・下落幅を使った指標より、銘柄数で算出された騰落レシオのほうが、シミュレーションの結果、より的確にその後のリバウンドを捉えることができた。