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十勝花子さんの娘が明かす、母の「お別れ会」の提案を辞退した事情

生前の十勝花子さんは交友関係も広かったという

生前の十勝花子さんは交友関係も広かったという

 高齢になると、残された家族が苦労しないよう「終活」を意識する人が増えている。しかし、終活の準備不足が、望まざる結果を招くことは珍しくない。それは著名人にとっても同様だ。

 終活の準備不足によって、身内だけではない交友関係をこじらせる恐れもある。女優の十勝花子さん(享年70)は2016年7月にステージ4の大腸がんがわかり、余命半年との宣告を受けた。十勝さんの一人娘の服部令子さんが振り返る。

「がんになる2~3年前から母は『棺おけにはまんじゅうを入れてね』『死に顔は誰にも見せないで』と口にしていて、気持ちは終活に向かっていたと思います。余命宣告された直後には、世田谷の家を売り、別居婚だった再婚相手が住む長崎で療養することを決めました」(服部さん・以下同)

 末期がんだとわかってからも、「これで患者役のお芝居ができる」と気丈にふるまっていた十勝さんだったが、服部さんが世田谷の自宅を売却する準備を始めた矢先に容体が急変。あっという間に帰らぬ人となった。突然の母の死に、娘は困惑した。

「私は母の仕事やプライベートを含めた交友関係をまったく把握しておらず、誰に何を伝えればいいかわかりませんでした。なので、皆さんには申し訳ないけど事後報告にすることを決め、家族葬を済ませた後にフェイスブックで母が亡くなったことを報告したんです」

 十勝さんは芸能活動以外にも、動物保護活動や趣味のマラソンなどでの交友関係が広く、訃報を知った人々から、電話や手紙、メールなどで数百件の問い合わせがあった。

 とりわけ多かったのが「お別れ会を開きたい」「お墓に連れて行ってほしい」などの要望だった。

「そうした要望をされたかたがたと母がどういった関係だったのかわからないし、私自身も突然の母との別れでいっぱいいっぱいだったこともあり、失礼ながら、提案や要望はすべて辞退させてもらいました。『ご迷惑ってことですね!』『面倒なんですね!』と言われることもありました」

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