先週の日経平均は大幅に下落した。前の週末に、7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想外に低下したことなどから景気回復期待が後退し、NYダウが300ドル程下落した流れを引き継ぎ、週明け19日の日経平均は339.68円安の27663.40円とギャップダウンでスタート。週末の間も新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、東京都での新規感染者数が連日1000人を超えていたことも警戒感を強めた。
20日の東京市場は全面安となった。週明け19日の米株式市場では、新型コロナのデルタ株流行により景気の先行き懸念が強まったほか、OPECプラスでの減産規模縮小の合意を受けた原油価格の下落などにより、NYダウは大幅に続落して725ドル安となった。米10年物国債利回りが1.1%台にまで急低下し、「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)も節目の20を上回るなど、金融市場全体にリスク回避ムードが広がった。欧州市場の主要株価指数も軒並み2%超えと急落していた。
こうした海外株安を受け、20日の日経平均の下げ幅は一時300円を超えると、ザラ場安値は27330.15円と、5月13日につけた安値27385.03円をも下回る場面があった。ただ、過去最高値付近で推移していた欧米市場とは異なり、日本株は2月以降から下落基調を辿っていたことから、日経平均は朝安後に下げ渋ると、27564.52円(-88.22円)まで戻りを試す動きも見られた。しかし、上値は重く、戻りが鈍いとなると、引けにかけては改めて失速し、結局264.58円安で終えた。
国内での連休前最終日にあたる21日の日経平均は反発。20日の米株式市場では企業の決算を好感する動きが見られたほか、新型コロナ再流行への懸念を受けた前の日の急落は行き過ぎとの見方から押し目買いが優勢となり、ダウは549.95ドル高と大幅に反発。海外株高を手掛かりに日経平均も358.90円高の27747.06円でスタートすると、朝方は買い戻しが続き、一時は27882.43円(+494.27円)と上げ幅を500円近くにまで拡げた。しかし、連休前に買いは続かず、前場中頃から失速すると前引けまでに上げ幅を120円程にまで縮小。後場もムードは変わらず、159.84円高の27548.00円で週を終えた。
今週の日経平均は一進一退か。日本でも4-6月期決算シーズンがいよいよ始まる。外部環境の不透明感が強く、全体の方向性も不明瞭ななか、決算を受けた個別株物色が主体となりそうだ。
米10年物国債利回りが5カ月ぶりに一時1.1%台にまで低下するなど、米長期金利の急低下が話題になっている。主な背景としてはインフレ加速を見込んでいたヘッジファンドなどが、「過度なインフレは一過性」との見方が徐々に浸透していくなか、これまでに積み上げてきたショートポジションの巻き戻しを迫られており、需給要因に依るところが大きいとの指摘が多い。