東京・港区の麻布界隈に住む、富裕層の妻たち。そんな“麻布妻”たちは、子供を名門私立小学校に進学させるケースも少なくない。その一人であるお受験に成功した富裕層ママの家に、アドバイスを聞こうと友人たちが集まったという。が、現場で繰り広げられた会話は、実用的なアドバイスではなく、単なるマウンティング合戦だった──。麻布妻の生態に詳しいライターの高木希美氏が、参加した女性の話をもとに、一般的な金銭感覚とは無縁のセレブママ友会の知られざる内情をリポートする。
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30代の美人ママ・舞香さん(仮名、以下同)には、お受験をして今年の春に超名門の私立女子校に入った娘さんがいます。舞香さん自身も幼稚園から私立で、実家は恵比寿のお嬢様。ご主人は実家が全員東大卒の医者一家だそうです。
ワクチンの2回接種が終わったことを機に、大学時代の友人3人が舞香さんの家に集まったそうです。その日、参加した幸子さんがうんざりした表情でこう明かしてくれました。
「私はごくごく一般的な家で生まれたのですが、一緒に行った恵さんと有美さんは、舞香さんほどではないものの恵まれたお嬢様。
その日は『小学校受験のアドバイスを舞香さんに聞く』という名目で舞香さんのタワマンに集まりました。が、行ってみると単なる自慢大会で、小学校受験の参考になる話は何もありませんでした……」
幸子さんによると、舞香さんの家に到着するやいなや、娘のアリサちゃんが自分の部屋を紹介してくれたそうです。そこにはエルメスのロデオチャームが8つ。ロデオチャームとは、エルメスのバッグを華やかにするデコレーションアイテムのことで、その名の通り馬をモチーフにしたもの。いわばバッグに付けるオプションの小さな飾りですが、15万~30万円前後もするものです。
「これ、パパとママが毎年くれるの。私がママのお腹に来て女の子だってわかったときはピンクのロデオだったの。おばさんたちは何個持ってるんですか?」
ロデオは年齢の数だけ持っているという前提のアリサちゃんの話には、一同苦笑。ちょうどその日、エルメスのバッグにロデオをつけていた恵さんが「私は3つよ」と答えました。するとアリサちゃん、「じゃあバーキンは?」と畳み掛けます。