投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月6日~9月10日の動きを振り返りつつ、9月13日~9月17日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は大幅続伸で3万円を回復。政局流動化に伴う政策期待を背景とした日経平均の躍進劇が続いた。
前の週末に発表された8月米雇用統計の非農業部門雇用者数の伸びは前月比23.5万人増と市場予想の72.5万人を大幅に下回った。しかし、単月の指標のブレは想定内として捉える向きが多かった。むしろ、量的緩和縮小(テーパリング)の開始が遅れるのではとの金融緩和長期化への期待から米株の反応もまちまちな中、週明けの日経平均は次期政権への期待感継続で531.78円高と急伸。
その後も、自民党総裁選に向けた政策討議活発化、経済対策への期待、東京都での新型コロナウイルス新規感染者数の前週比減少などを背景に、日経平均の上値追いは継続。7日、8日と2日連続で250円超上昇し、8日には30181.21円と終値で3万円を回復した。
週末の先物・オプション9月物の特別清算指数算出(メジャーSQ)に向けた買い戻しもそろそろ一服との声も聞かれると、日経平均は週後半9日には9日ぶりに反落し173.02円安となったが、引けにかけては3万円に戻すなど依然買い意欲は強かった。
週末10日も、NYダウが4日続落するなど米株市場の軟調が続いていた中ではあったが、政局流動化をきっかけにした日本株見直し機運は根強かった。メジャーSQ算出に絡んだ買いも入り、日経平均は81円高からスタート。寄り付き後は利益確定の売りが出て上げ幅を縮める場面もあったが、香港株の反発などを追い風に急伸すると、前場は30378.24円まで上昇。後場は再び利益確定売りで上げ幅を縮めたが、大引けにかけては改めて騰勢を強め、30381.84円(373.65円高)と高値引けとなった。
今週の日経平均は堅調か。次期政権への期待という国内特有の政治要因を背景に、日経平均は引き続き底堅い展開が想定される。
8月27日以降の日経平均の上げ幅は2500円を優に超えた。急ピッチでの上昇からテクニカル面では短期的な過熱感を指摘する声も聞かれるが、長かった日本株の欧米対比での独り負け状態を踏まえれば、まだキャッチアップの序盤に過ぎない。海外勢による日本株の見直しは始まったばかりで、引き続き買い意欲は継続しよう。