長かった受験シーズンも終わりを迎え、春からの新しい学校生活の準備に忙しい家庭も多いだろう。娘が今春から都内の高校へ進学する会社員の竹内美恵子さん(仮名・45才)は、ようやく受験が終わったと安堵の息をつく。
「第1志望の進学校はダメだったけれど、なんとか第2志望に入学が決まりました。私は専門学校卒だし、夫は無名の私立大卒ですから、高望みはできません。私たちの娘にしては、まあ妥当な結果だと思っています」
2018年にお茶の水女子大学が出した「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」によると、親の最終学歴が高いほど、子供の学力が高いことがわかっている。
たとえば、父親の最終学歴が「小学校・中学校」の場合、中学3年生の子供の「数学A」の正答率は50.2%だが、父親の最終学歴が「大学」なら74.6%となる。
母親の場合は、より顕著な差が表れる。母親の最終学歴が「小学校・中学校」の場合、同科目の子供の正答率は45.5%だが、母親の最終学歴が「大学」なら77.7%の正答率となっている。
さらに同調査では、「父親が単身赴任中」の子供は、そうでない場合に比べて子供の学力は高くなり、「母親が単身赴任中」だと学力が低くなることもわかった。
なぜそうした結果となるのか関連性は説明されていないが、この調査研究は発表当時にテレビ番組で特集されたこともあり、世の母親の間で大変な話題となった。「父親よりも母親の成績が子供に影響するのでは……」「子供の成績が悪いのは、私のせいかも……」と、不安を感じた人もいるかもしれない。