近年、家電の進化が目覚ましい。ドライヤーもそのひとつ。大風量で軽量化を実現するためにどのような苦労があったのか。家電メーカーに商品開発の秘話を聞いた。
カロス ビューティー テクノロジーは、大手家電・美容メーカーの開発者や技術者が集結し、2020年に事業をスタートさせた。「不便を便利に」「手の届きやすい価格帯で」をモットーに、美容・健康・生活を支えるさまざまな製品を開発。「最軽量美顔器」や業界初「USBで使えるブラシ型ヘアアイロン」など“かゆいところに手が届く”商品を生み出してきた。
「技術者目線の発想で、“高機能ドライヤーは重くて当たり前”といった先入観を打ち破るような商品を追求していこうと開発を続けています」(販促課マネージャーの柳沢文佳さん。以下同)
近年のドライヤーは、髪を乾かすだけでなく、速乾性や美容効果などプラスαの機能も求められている。その分、価格が上昇し、大型化・重量化が進んだ。そんなデメリットを解消すべく開発されたのが、『ドクタービュー カゼ ナイス ドライヤー プレミアム』(1万6800円)だという。
「髪を速く乾かすには大量の風を発生させる必要があるため、大きく重いモーターが必須でした。しかし当社はコンパクトなモーターのまま、充分な風量を送り出す構造にこだわりました」
一般的なドライヤーは、吹き出し口から四方八方に風が分散しがちだ。そこで、ドライヤー内部の風の通り道の形状に工夫を凝らし、強力で直線的なトルネード状の風を作り出した。総重量500gという軽量化を実現しつつ、1分あたり1.5立法メートルの大風量がまっすぐに髪に届く。さらに、2つの遠赤外線機能を搭載している。
「セラミックには、高温で加熱するほど遠赤外線の発生量が増えるという性質があります。そこで、吹き出し口にセラミックプレートを搭載。さらに内部のヒーター部分にもセラミックコーティングを施し、遠赤外線をダブルで発生。これによって、髪に必要な水分を保ったまま速乾性を高めることができました」