6月1日、政府が主導する「就活ルール」上で企業の採用活動が解禁され、大学生の就職活動が佳境を迎えている。就活生側が企業を選ぶ基準は、安定性、将来性、社風、給与、福利厚生、会社の規模、業界トップ、就職人気など様々あるが、人生のターニングポイントとなり得る機会だからこそ“俺様ルール”でやるのも1つの方法かもしれない。就活で自分流を貫いた先輩たちのリアルケースを紹介しよう。
とにかく野球に関係する企業に行きたい!
千葉県在住のMさん(30代/男性)は、熱狂的な野球ファン。特定の贔屓チームはなく、野球なら何でも大好きで、プロ野球、メジャーリーグ、高校野球、社会人野球と、とにかく野球を愛してきた。そんなMさんが就活で目指したのは、「とにかく野球に関係する企業」。大学の友人たちは怪訝な顔をしたが、本人は至って本気だった。
「私が受けたのは、とりあえずプロ野球12球団の親会社を全部。さらに社会人野球の強豪企業、野球中継をやるテレビ局とラジオ局、大手紙やスポーツ新聞、ベースボールマガジン、東京ドーム、野球用具メーカーなども受験しました。
選手経験はまったく無かったので、『“やる方”じゃなくて“見る方”ね』と面接で冷たくあしらわれたこともありましたが、知識だけは誰にも負けないので、自分より遥かに年上の面接官と往年の名選手の話で大いに盛り上がったことも。結局、某球団の親会社から内定をもらい、今も勤めています」(Mさん)
入社後、すぐに野球関係の部署に行けるほど会社は甘くはなかったが、Mさんの野球好きは社内で有名で、「自社にいた選手の動向をチェックするため」と言い張り、オフィスでメジャーリーグ中継を見ながら仕事をすることもあるという。