庶民の味方、回転寿司。もちろん目玉商品は「寿司」だが、業界各社は少しでも売上を上げるために寿司以外の商品も充実させている。スシロー、くら寿司、かっぱ寿司、はま寿司の4社ともアルコールを提供するが、これは近年の傾向だと回転寿司評論家の米川伸生氏が言う。
「昔は回転寿司ではアルコールを飲ませなかった。しかし今は、各社ともゆっくり飲みに来てほしいという方針。アルコールは利益が出やすく、寿司以外のサイドメニューも食べてもらえる。100円皿が何万枚売れても儲けは微々たるものですから」
その証拠に、車で行くロードサイド店より、最近増加する都心店のほうが客単価が高いのだという。
平日午後のアイドルタイムを埋める喫茶需要の奪い合いも熾烈。「マンゴー」「かき氷」など季節スイーツのフェア商品が百花繚乱だ。そこで本誌・週刊ポストは、大手4社のサイドメニューを比較してみた。
たとえば「茶碗蒸し」。はま寿司の198円が最安で、くら寿司が199円、かっぱ寿司とスシローが220円となっているが、重さを実測すると、もっともコスパがよいのはくら寿司だった。
ビールのおともとして人気のフライドポテトはスシローの132円が最安。くら寿司は330円と4社の中で一番値段が高かったが、重量163gとボリュームもあり、コスパ面で光った。
各社、ちょい飲み需要や喫茶需要などでユーザーの幅を広げようとしているようだ。
取材・文/土屋秀太郎
※週刊ポスト2022年7月1日号