「2018年と2021年を比較調査したところ、不用品処分の行動では“ゴミで廃棄”が約10%減り、“フリマアプリで売る”が約10%増加しました。そして、60代以上の年間出品数が20代の倍近く多いことが、この調査でわかりました」
そう話すのは、メルカリ広報の韓昇勲さん。これは、昔はたんすの肥やしや押入れのガラクタだった物を、小遣い稼ぎができる“お宝”と考える60代以上の人が増えたということだろう。
そんな変化を後押しし、実際に何がいくらで売れるか検証し続けているのが、バラエティー番組『それって!?実際どうなの課』(日本テレビ系)で、緑川静香さんが担当する「スマホで家の不用品を売る」コーナーだ。
『それって!?実際どうなの課』は、世の中のいまを映し出すリアルドキュメントバラエティーとして2019年4月に放送開始。スマホで家の不用品を売る」は、緑川さんが“スマホ1つで家の不用品を全部売ったらいくらになるか?”を検証し、番組の第1回から現在まで続く人気コーナーとなった。地方の一戸建てや、有名人宅で不用品処分したりする際は、コメント対応と梱包や発送に追われ、作業に1週間前後を要する。緑川さんの頑張りなしには成立しない人気企画なのだ。
今年で4年目を迎えるが、毎回ピンクのつなぎに身を包み、全国の依頼者のもとへ出かけ、いわゆる“ゴミ屋敷”などにも臆することなく奮闘する彼女の活躍が評判だ。
「フリマアプリでは、どんな物でもそれなりの値段で売れることがあるんです。『うちには売れそうな物なんて1つもない』という声をよく聞きますが、あきらめる必要はありません」(緑川さん・以下同)
番組ロケは約1週間かけて行われる。7月上旬の放送では、愛知県半田市の古びた一戸建てを訪問。
初日に古いパソコンモニターを発見した彼女は、すぐに電源を入れ動作を確認。反応はなかったが、「“映らない”ってことで出します」と、1999円という値を付けた。
このほか、ビデオデッキ2222円、砂嵐しか映らないブラウン管テレビ3333円、ズボンプレッサー3999円など、強気の値付けで次々出品。25年前のシステムミニコンポは、送料を購入者負担の条件付きで、999円からネットオークションに出品することにした。フリマアプリとネットオークションを自在に使い分ける、その手際が実に鮮やか。