今年も残すところあと2か月足らずとなった。今年の上海総合指数の動きを振り返ってみると、最高値は今年最初の取引日である1月4日の寄付き直後に記録した3538.69ポイント。最安値は1月27日の安値2638.30ポイントである。
年初からわずか18営業日で25.4%下げたわけだが、その後の相場はそれを少しずつ取り戻す動きとなっている。戻り高値は8月16日場中で記録した3140.44ポイントであり、下げ幅の55.8%分を回復したにとどまっている。
下落は一瞬だが、戻りは一進一退である。1年に1回起こるかどうかの急落時に、しっかりとリスク管理できたかどうかでその後の投資収益は劇的に変わってくる。買いはともかく、売りについては過去の株価動向に目を奪われて、損切りをためらうと、大ケガをすることになる。そうした株取引の常識を改めて確認させられる値動きである。
8月中旬以降、押し目となった上海総合指数だが、10月に入り回復、10月24日は1.21%上昇、8月16日の高値まであと12ポイント強(終値ベース)に迫ったが、その後は足踏み状態となっている。31日の終値は3100.49ポイントで、戻り高値まであと40ポイント弱、上昇率にすれば1.3%の位置にある。
銘柄間の動きを見ると、上半期は白酒に代表される食品飲料や、非鉄金属(ただし、リチウム電池など新エネルギー関連が中心)などが人気となったが、第3四半期には売られている。また、PC関連、メディアなどは上半期も弱かったが、第3四半期も弱い動きとなった。一方、上半期、特に第2四半期になって売られた建設、バイオ、建材、公共投資関連、銀行といったところは、第3四半期に入り、資金が流入している。