台風シーズン真っただ中。突然の坊主頭になったことでも話題の気象予報士・蓬莱大介さんが、知っておくべき台風の基礎知識を解説してくれた。【全3回の第1回】
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いま、世界中で猛暑、大雨、干ばつなど異常気象による被害が起きています。日本でもいよいよ本格的な台風シーズン。いま一度台風の知識や現状を知り、備えに役立てていただきたいと思います。
台風とは、熱帯低気圧によって起こる風の最大風速(10分間平均、秒速・以下同)が17m以上になったものを指します。「どこどこで台風が発生しました」というニュースを見ることがあるかもしれませんが、あれは風速計を置いているわけではなく、気象衛星で雲の形などを見て、風の強さを推定し、台風かどうかを判断しています。
台風のおおよその勢力を示す目安には「強さ」と「大きさ」があるので、どちらにも注意が必要です。強さでいうと中心付近の最大風速が17m以上33m未満を一般的な「台風」としていて、33m以上44m未満を「強い台風」、44m以上54m未満を「非常に強い台風」、54m以上は「猛烈な台風」とランク分けしています。何となく話しているわけではなく、きちんと決まっているんです。
大きさでは、風速15m以上の強風域の半径が500km以上800km未満を「大型」とし、800km以上になると「超大型」と表します。大型だと東京から九州くらいまでは覆うくらいの規模で、超大型になると東北から九州まですっぽり覆うほどの大きさ。どちらにせよ、台風の勢力は「雨」ではなく「風」が決め手となります。