急ピッチで進んだ円安は、物価高という形で多くの消費者に影響を与えている。何もしないでいると家計が圧迫されデメリットが大きいが、経済環境の変化に合わせて投資することで、その影響を和らげられる可能性がある。例えば国内の株式でいえば、円安の恩恵を受けられるインバウンド関連銘柄や輸出関連銘柄に投資することが選択肢となるだろう。
経済アナリストで日本金融経済研究所代表理事の馬渕磨理子氏は、「国内の銘柄だけでなく、外国株に投資することもリスク分散につながるなどメリットが大きい」と言う。
しかし、外国株を半知半解で購入することはリスクが大きい。そこで検討に値するのは、運用会社が投資家から集めた資金を複数の株式や債券などに分散する「投資信託」を通して海外に投資する方法だ。
そのなかでも特定の株価指数に連動する「インデックス・ファンド」なら初心者でも取り組みやすいという。
「1つの商品を購入しておけば市場全体に分散投資できるため、一部の銘柄の価格が下がってもほかの銘柄でカバーできるなど、資産を失うリスクを抑えられます。売買のタイミングを細かく考えなくていいので、誰でも始めやすいです」(馬渕氏)
世界的なインフレのなかで先行きは不透明に思えるかもしれないが、長期的に見れば世界経済は成長し続けている。グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が言う。
「世界の人口は拡大を続け、世界全体のGDPも成長していることを考えると、企業の業績も長期的には拡大傾向にあるといえるでしょう。世界経済全体の成長を取り込めるインデックス・ファンドへの投資は、長い目で見れば成功する確率が高い」