投資初心者でも挑戦しやすいのが長期積立投資。この「ほったらかし投資」の次のステップに進んでみたいと思った場合、何から始めればよいだろうか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第16回は、「コア・サテライト運用」について。
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資産運用の基本は、長期・分散・積立であることは、この連載で繰り返し解説してきました。そのためには、低コストで幅広く分散投資ができるインデックス投信を積み立てるのが最適であることも周知されているでしょう。読者の方の中には、すでにインデックス投信の積立投資をスタートさせた方もいるかと思います。そこで、今回は次のステップとして少し冒険した作戦を紹介します。
攻めと守りを両取り
幅広く投資対象を分散し、コツコツと時間分散して、長期でインデックス投信を積み立てる投資は、言わば“守り”の投資です。老後資金など、減らしたくない資金を用意するためには、守りの投資で手堅く運用するのが鉄板です。実際にスタートされた方はお気づきでしょうが、インデックス投信を使った積立投資は、一度しくみを作ってしまえば、あとは自動的に積み立ててくれますので、けっこうつまらないものです。始めてみて、なにか物足りなさを感じている方もいるかもしれません。
そこで次のステップとしては、ちょっと冒険となる「コア・サテライト運用」を考えてみましょう。コアというのは、資産運用の核となるもので、ここではがっちり守りの投資を行います。それに加えて、サテライト(衛星)としてやや動きの荒い資産で、積極的なリターンを狙う攻めの投資を行います。このふたつを組み合わせることで、攻めと守りどちらも両取りの、抜け目ない資産運用が実行できます。
サテライトに向いているのは?
コアとしての運用は、以前紹介した「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」などのインデックス投信がおすすめです。長期運用することで安定した収益を狙います。
一方、サテライト運用には、多少リスクが高くても高いリターンを狙える商品を選びましょう。「これ!」と思う個別株を買うのもよいのですが、いきなりの個別株投資はさすがにハードルが高いかもしれませんね。
そこで考えたいのが、アクティブ投信です。成長株ばかりを組み入れた投資信託や、今ならESGや脱炭素など、テーマに沿って投資先を選んでいる投資信託などもあります。日本の中小型株投信などもおもしろいでしょう。アクティブ投信については、次回、詳しく解説いたします。