市場の平均に連動するインデックス投信と比べて、平均点以上のパフォーマンスを目指すアクティブ投信の選び方は難易度が上がる。では、どのような基準で選べばよいのか? 『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第17回は、「アクティブ投信の選び方」について。
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前回は、インデックス投信とアクティブ投信を組み合わせたコアサテライト戦略について解説しました。市場の平均的な成長を狙いながら長期運用するインデックス投信に、平均点以上のパフォーマンスが期待できるアクティブ投信を組み合わせることで、資産運用の効率をグッと高めようという作戦です。ただし、玉石混交のアクティブ投信の中から、いったい何を基準に選べばいいのでしょう?
アクティブ投信のメリット・デメリット
インデックス投信の積立投資は、ほったらかしですので、たいていの人に向いています。一方、アクティブ投信は、ある程度の時間と手間をかけて選別しなくてはいけないので、万人向けではありません。適当に選んでしまった結果、ポートフォリオ全体の足をひっぱるようでは本末転倒ですので、その点は十分ご注意ください。
まずアクティブ投信のメリットからお話しましょう。
【1】しっかり選別すればインデックス投信より高い運用成績が望める
じつは日本のアクティブ投信の中には、インデックス投信より圧倒的に成績がよいものがいくつかあります。まさに、運用のプロの仕事といえます。
【2】自分で選ぶ楽しみがある
アクティブ投信には、それぞれ個性があります。手数料の安さが決め手となるインデックス投信と異なり、比較ポイントが多いので、それだけ選ぶ楽しみも多いと言えます。
次はデメリットです。
【1】インデックスファンドよりもコストが高い
ファンドマネージャーと呼ばれる人が、時間と労力をかけて銘柄を分析しますので、それだけ人件費もかかります。それが信託報酬というかたちでコストに反映されますので、ある程度の高コストは許容する必要があるでしょう。
【2】定期的にチェックする必要がある
アクティブ投信の場合は、買いっぱなしというわけにはいかず、運用方針に変化がないか、組入銘柄はどうなっているかなど、ある程度こまめなチェックが必要になります。