約6700品目が10月に値上がりし、11月も飲料や菓子類が値上がり、家計は厳しくなるばかりだが、節約のためには生活費を切り詰めるより、固定費を削減したほうが効果が高い。固定費はほとんどが電話1本で「座ったまま」減らすことができ、一度見直せばその後はずっと、節約効果が続く。
いちばんにテコ入れすべきなのは通信費だ。消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが解説する。
「いま、あらゆるものが値上がりしている中で、スマホ料金だけは比較的安くなっています。定期的に料金プランを見直すのはもちろん、格安スマホに乗り換えれば、家族全員で月1万~2万円ほどは安くできる可能性が高い。また、ネットフリックスやアマゾンプライムなどのサブスクリプションサービスも、使っていないなら解約すべきです」
動画配信サービスだけでなく、YouTubeなどのプレミアム会員なども見落としがちだ。仮に月額3000円でも、年間では3万6000円にもなる。「初月無料」につられて登録したまま解約を忘れていたり、似たようなサービスを重複登録している可能性もあるので、一度確認を。
「習い事も固定費に入ります。子供の習い事は削りにくいですが、オンライン受講にすることで費用を抑えられる場合もあります。月々の明細をすべて並べて比較し、本当に必要なものだけ継続しましょう」(丸山さん)
人によって金額に差はあるが、多くの女性にとって、美容院やネイルサロン、化粧品も、固定費と言っていい。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんは、こう話す。
「“女の固定費”は、気持ちを上げてくれる『投資』でもあります。しかし、仕上がりや値段に納得していなかったり、なんとなく通っているだけなら、一度やめてみてもいい。それでも困らなければ、それは『浪費』だったということになります」
もっとも大きな固定費である住居費を減らすことも、あきらめる必要はない。人によっては、値下げ交渉の余地があるからだ。
「大家との関係性がよければ、更新時期に交渉することで、家賃や更新料が安くなることもある。家は長く住むほど経年劣化で価値が下がるため、同じ間取りのほかの部屋や、同地域でグレードの近い賃貸などの家賃を比較対象にしてみるといいかもしれません」(丸山さん)
※女性セブン2022年11月24日号