米大統領選でドナルド・トランプ氏が当選したことにより、11月9日に一時1000円超の暴落を見せた日経平均株価だが、「トランプ・ショック」は1日で終わったかのように、翌10日には急騰。その後も株価は続伸し、当選から1週間後の16日には今年2月以来約9か月半ぶりの水準となる1万7862円をつけ、為替も1ドル=109円台半ばと約5か月半ぶりの円安水準となった。
トランプ氏が掲げる大型減税や莫大な公共投資が米国経済の成長につながると期待され、ドル資産への投資が加速。ドル高、米株高に伴う「円安→日本株高」傾向が強まり、事前には予想もつかなかった「トランプ相場」で賑わう格好となっている。
だが、選挙期間中に注目を集めたトランプ氏の過激な言動が当選後に鳴りを潜めたように、この先、相場環境も大きく変わる可能性がある。市場関係者の見方だ。
「トランプ新政権が大型減税や公共投資によって財政出動を拡大し続ければ、財政赤字は膨らみ、いずれ『財政の崖』にぶち当たる。2011年にも浮上したように、米国が定める債務の上限に達すれば、上限引き上げ法案を議会で可決しなければならなくなる。幸いにも大統領選と同時に行なわれた連邦議会選挙では上院、下院ともに共和党が過半数を握ったため、議会で可決される可能性は高いかもしれない。