「投資は心理戦」とよく言われる。焦って売買すると損をしがちだとわかっていても、多くの投資家は痛い目を見る。投資初心者ならば、なおのことだ。そうした中、昨今では「ロボアドバイザー投資」が人気化しており、感情を排除して、淡々と投資してくれるらしい。しかもほったらかしで超簡単という、老後資金の資産形成術を探った──。
「95才まで生きるには、金融資産2000万円の取り崩しが必要となる」──金融庁が6月3日に発表した報告書が、大きな波紋を呼んでいる。
簡単に言うなら、老後の生活は年金だけでは苦しくなりそうだから、「自助」で貯金するとか、投資するとか、資産運用するとかなんとかして──と国民に呼びかける内容だ。振り返れば2004年、小泉純一郎首相(当時)は、「年金100年安心」と大喧伝して、受給額を減らす年金改悪を行った。安倍晋三首相も「年金は大丈夫」アピールを続けてきたが、ついにゴメンナサイをしたわけだ。100年どころか、たった15年で白旗を揚げた。
困ったのは、「勝手にやって」と突き放された国民である。群馬県在住の50才主婦・高橋さんの話。
「そんなこと言われても、夫も私も投資なんかやったことないですし…。株は難しそうだし、老後の備えにぴったりといわれる投資信託も、どれを買えばいいのか。複雑だし面倒だし損しそうだし、投資をする気にならなくて。
そんなことを言ってたら、金融系の会社に勤める息子から、何も難しいことを考えずにお金を増やす方法があるよ、と勧められたのが、『ロボット投資』。今流行りの最新のAI(人工知能)を使っていて、お金を預けるだけで、自分に合った運用をしてくれるんです」