トランプ新体制の下でアメリカはアジアインフラ設備投資銀行(AIIB)に加盟する可能性がある。中国本土、香港の複数のマスコミが関連記事を掲載している。
たとえば、聯合早報網訊は11月15日、「AIIBの金立群総裁は人民日報において、“トランプ氏の幕僚チームにおける多くの人々が、オバマ大統領がAIIBに加盟したがらなかったのは間違いであると認識している。また、オバマ政権のある高官はAIIBに賛同していると聞いている。アメリカ政府が今後AIIBを支持したり、AIIBに加盟する意思を示したりする可能性を排除することはできない”などと発言した」と報じている。
トランプ氏の側近で安全保障担当の上級顧問であるジェームズ・ウールジー元CIA長官が金立群総裁と会見したときにアメリカがAIIBに加入しなかったのは戦略的な誤りだと発言しており(11月11日のサウスチャイナ・モーニングポストなど)、その内容を交え、金総裁はこのような発言をしたのであろう。
AIIBは、主に「一帯一路」戦略を金融面から支えるために中国が主導して設立された銀行である。一帯一路戦略とは、シルクロード経済ベルト(一帯)と21世紀海上シルクロード(一路)の2本のシルクロードを中国が関連各国と協力し、発展させる戦略である。
前者は、西安、新疆から中央アジアを経て地中海に至る陸路である。そこに交通網、物流網、通信網、エネルギー供給網を発展させるとともに、合弁事業を促進すべく要所に重点経済貿易産業園区を作る計画である。