「やったことがある問題だ!」となれば無敵だが…(イメージ)
今年も受験シーズンがやって来る。合格のためには藁にもすがりたくなるのが受験生というものだが、昨今のトレンドである「AI」を受験に活用することは出来ないのか、と考える人も少なくないようだ。受験生に日々接している現役教師や塾講師たちに、「受験対策としてAI活用」の現在地を聞いた。
出題予想や志望校決定にAI活用
中学受験を控えた娘を持つYさん(40代/女性)は先日、進学塾の説明会でこんな話を聞かされたという。
「保護者への説明会で、『AIを活用して志望校の出題予想を行っている』という話があったんです。具体的には、『膨大な過去問のデータを活用し、科目ごと、ジャンルごとに出題傾向や出題頻度を分析。生徒の苦手分野と照らし合わせて指導する』といった内容でした」
問題がドンピシャに当たらずとも、傾向が分かれば確実に有利ではある。Aさんは「時代だなあ」と思って帰宅したが、一方でAIの出題予想について懐疑的な見解もある。
都内有数の進学校で教鞭を取るOさん(50代/男性)が語る。
「将来的にはともかく、現時点では様子見というのが率直な感想です。AIが例示する内容は、寄せ集めを超えることはない。そもそも志望校の過去問をマジメに解いていれば、出題傾向ぐらいは分かるはずです。過去問をAIに読み込ませたり、それを分析しているヒマがあるなら、普通に勉強したほうが良いと思いますね」
ただ、Oさん自身、練習問題を作る際にはAIを活用しているという。
「作成スピードは人間とは比べ物になりませんし、細かく指定すればきちんとした問題が出来上がります。もちろん、問題として成立しているのかはしっかり確認します。
ここ1~2年、二者面談や三者面談でAIの話題が出る機会が増えたというが、Oさんは、「生徒や親が、『AIの研究や開発をやりたい・やらせたい』というなら、こちらも全力でサポートしますが、『勉強にAIを使っても良いか』と聞かれても困るのが本音です。最近は『ChatGPTで志望校を決めた』という子もいますが、否定も肯定もしません。それが“合っている”かどうかは、私には決められません」と語る。
