電車の軽量化にも貢献
【3】の「構体を軽くできる」ことは、電車の軽量化を図り、運転時の消費エネルギーを減らすことにつながります。
普通鋼製の構体では、腐食による劣化を想定してあらかじめ厚めの板材を使うので、その分全体の重量が大きくなります。いっぽう、ステンレス鋼製やアルミニウム合金製の構体では、腐食を想定して板材を厚くしなくてよいため、必要な強度を保ちながら構体全体の重量を小さくできます。
また、とくにアルミニウム合金製の構体を採用すると、全体の重量をより小さくすることができます。アルミニウム合金は、重さ(密度)が普通鋼の3分の1程度と軽い材料だからです(ちなみに、アルミニウム合金の強度は普通鋼の2分の1程度です)。
車体全体をラッピングした電車も登場
日本で積極的に銀色の電車を導入した鉄道会社(鉄道事業者)の一つに、東京地下鉄株式会社(略称:東京メトロ)があります。同社は1960年代からステンレス鋼、1970年代からアルミニウム合金を構体の材料に採用した電車を登場させ、同社が保有するほとんどの電車を銀色の電車にしてきました。
現在同社が保有するすべての電車は、アルミニウム合金製の構体を採用しています。アルミニウム合金は、先ほど述べたように軽い材料であるだけでなく、リサイクルしやすいというメリットがあるからです。