〈たとえば核家族の分裂、世界的エネルギー危機、迷信の流行とケーブル・テレビジョン、フレックス・タイム制の人気と新しい一括付加給付制の登場、あるいはカナダのケベック州からフランスのコルシカ島に至る分離独立運動まで、その一つ一つはすべて独立の事件のように見える。だが、正反対のことも言えるのである。
ちょっと見には何の関連もない出来事や潮流でありながら、そのような現象は実は互いに関連している。産業第一主義の死と新しい文明の勃興という、はるかに大きい現象の部分部分にすぎないのである〉
しかし現在は、トフラー氏が生きていた時代には予想すらされていなかった技術やシステムが登場し、「第4の波」と言うべき全く新しい社会が到来している。
もし今もトフラー氏が生きていたら、この「第4の波」について考察し、新たな著書を執筆していたに違いない。
※大前研一『第4の波 大前流「21世紀型経済理論」』(小学館)より一部抜粋・再構成