いつからか投資の世界で1億円以上を稼ぎ出した個人投資家のことを「億り人」と呼ぶようになった。本誌大好評連載「億り人プロファイル」では、彼らがいかにして億万長者になったのか、その素顔と投資遍歴をつぶさに紹介してきた。
そして今、着実に資産を築き、次の「億り人」入りを目指す“億り人予備軍”ともいうべき個人投資家もひしめき合っている。
そこで今回は、新春特別版として、数千万円の資産を運用する“プチドリーム・トレーダー”5人を徹底取材した。
彼らはいかにして資産を築き上げてきたのか。雲の上の存在である「億り人」よりもっと身近な成功者たちの投資ライフを紹介しよう。
【億り人予備軍(1):三井僚さん(仮名)】(運用金額6700万円)
DeNA1銘柄に3800万円の集中投資!
2000万円の含み損に耐えて利益確定成功
就職活動のとき金融業界を志望し、勉強の一環として実際に投資してみようと思ったのが、株式投資を始めたきっかけでした。
00年代前半、カルロス・ゴーン社長主導による日産自動車の調達見直し、いわゆる「ゴーン・ショック」で鉄鋼業界が不況に陥り、株価が暴落していたNKK(現JFEホールディングス)を購入。
バイトで稼いだ50万円を投資したところ、株価が反発して2倍になって株式投資の魅力にハマりました。
基本的に逆張り狙いで、割安感の強い銘柄や、業績面での裏づけのある銘柄に投資するスタイルです。仕事柄、さまざまな業界動向もチェックしているおかげで、仕事で身につけた知識や分析は投資の役に立っていると思います。
株式投資では、「自分が働いている業界」や「詳しい業界」に特化するのもいいですが、各企業が他の業界や経済と密接に繋がっているので、広く見渡すことも大事だと思っています。
長年市場を見ていると、企業ごとに業績予想の出し方のクセもわかってくるし、季節的な要因などで同じような動きをする株も見えてきます。
例えば、商社株はボックス相場を形成することが多いので、「ボックス圏の下限で買い、上限で売る」という効率のいい売買を何度もしています。