手元の余剰資金をすべて投資に回したとして、その後の月々の投資金額はどれくらいにするべきでしょう? 目安として、毎月の自由に使えるお金の10%程度が無理のない金額だと思います。多少無理をしてでも、多めの金額を早めに投資に回したほうがいいのは決まっているのですが、若いうちにしかできない経験にはお金を使ってでもしたほうがよいこともあると思います。たとえば、自己投資をしてなんらかのスキルを身につけることで、労働収入を増やせば、投資できる金額を増やすことができます。トータルで見ればそのほうが早く大きく投資できたという結果になるかもしれません。
無駄な資産運用の見直しを
先日、マンションのポストに入っていたチラシを見た友人が、無料のセミナーに参加したことがきっかけで、手数料の高い投資信託と、外貨建ての保険に手を出していました。NISAやiDeCoにはまったく手をつけていません。もし同様の人がいたら、まず、無駄な金融資産を保有していないか、あらためて点検してほしいと思います。
外貨建ての保険のように、資産運用と保険を一緒にした商品は、概して不利であることが多いものです。途中で解約したら元本割れするので、解約をためらう人も多いのですが、解約したお金をNISA口座で運用したほうが、よっぽど資産運用の効率がよいと考えられます。何かしなくちゃと焦ってあちこちに手を出すより、まずは確実にメリットが見えているNISA口座での運用を優先しましょう。
何を買えばいいのか?
今までも何度となく解説していますが、なるべく投資にかける時間を少なくしたい、煩わしいことは考えたくないという人は、世界中の株式に分散投資をするインデックス投信を選択するのもいいと思います。現状では同タイプの投資信託の中では手数料がもっとも安い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が、投資家の支持を集めています。
インデックス投信1本に絞ってしまえば、投資資金が増えても減っても、購入する金額を増減するだけで調整できます。こっちをやめて、あっちを増やしてと、あれこれ頭をひねる必要もありません。
投資枠が増え、フレキシブルに運用できるがゆえに、頭を悩ませがちな新NISAですが、生活防衛資金以外の資産をなるべく早めにNISA枠に移し、シンプルに運用していくと決めてしまえばスッキリするのではないでしょうか。