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【日本株週間見通し】今週の東京株式市場は弱含みか 米経済指標の発表に注意

 このため、米経済指標の発表が集中する今週前半を中心に神経質な相場が予想される。仮に弱い結果となれば、1月の強いデータは一過性のものだったとされ、金融引き締め懸念は緩和しよう。ただ、米SVBファイナンシャルの一件で市場の目線は実体経済に移ってきているため、相場の力強さは戻りにくいだろう。

 米国では16日に予定されている物流大手フェデックスの決算にも注目したい。物流は経済活動の血流としての役割を担っており、実体経済の落ち込み具合を計るうえで注目に値する。

 ほか、16日に開催される欧州中央銀行(ECB)定例理事会にも注目だ。欧州でも物価指標の鈍化が一服し、ECBのターミナルレート引き上げの織り込みが進んでいるが、先週は、ECB政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中央銀行総裁が3、5、6、7月の4会合連続の0.5ポイント利上げを支持すると言明した。ECBのタカ派スタンス再表明も弱気に傾きつつある株式市場の重しとなりかねず、注意が必要だろう。

 個別では、外部環境の不透明感が強まる中、国内経済活動の正常化など内需主導による恩恵が期待され、中国人観光客の回復という最大のカタリスト(株価変動を誘発する材料)もまだ温存されているリオープン・インバウンド関連などが相対的な安心感から買われやすい状況が予想される。15日に2月訪日外客数が発表されることも材料視されそうだ。また、中国で2月鉱工業生産や小売売上高などが発表されるため、中国関連株などが改めて注目される可能性もあろう。

 今週は13日に1-3月期法人企業景気予測調査、14日に米2月CPI、15日に日銀金融政策決定会合議事要旨(1/17-18日開催分)、2月訪日外客数、中国2月鉱工業生産、中国2月小売売上高、米2月小売売上高、米2月卸売物価指数(PPI)、米3月NY連銀景気指数、16日に2月貿易収支、1月機械受注、2月首都圏マンション販売、ECB定例理事会、米2月住宅着工件数、米3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、17日に米2月鉱工業生産、米3月ミシガン大学消費者信頼感指数、などが予定されている。

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